東西名探偵/平×新のSSブログです。幸せイチャイチャ中心。 死にネタ別れネタなし。初めての方はカテゴリーより「はじめに」をクリックしてください。 ご意見、ご感想等ございましたら カテゴリー下にあるリンクのWEB拍手や文末コメントにてお願いします。
bitter 続きです。
前回まではこちら。
bitter bitter2 bitter3 bitter4 bitter5 bitter6 bitter7
自身の腕の中で新一の項を見下ろす形となった平次は、その首をすべる雫に見とれた。
恐ろしいほどの欲が、一瞬にしてぶわりと膨れ上がる。
慌てて自分が首にかけていたタオルを新一の頭に被せて、再び彼の髪を拭い始めた。
より平次の胸にもたれかかり、新一が体を震わせる。
「何で、あんなこと言ったんだ…!」
声にはひどく哀しいものが混じっていて、そのことが平次を苦しい想いにさせる。
自身の行動が新一をどれほど彼を追い詰めていたのか、その断片を見た気になるが、
けれど平次も限界だったのだ。
「――― 言わずにはおれんかったんや。」
固い声に新一はタオルの隙間から平次を振り仰ぐ。
苦い笑みを浮かべて、平次は視線を壁へと流した。
「あの前の日、和葉から答えを迫られた。」
止められた手が、新一の肩に乗せられる。
「俺は気付かんかったけど、あいつ俺のことが好きやったんだと。」
そこまで話して、新一の表情を見た平次が口元を歪ませる。
「…ああ、お前も知ってたんか。」
小さく頷く。当たりまえだ。あれでわからないほうがおかしい。
「断って、泣かれて、…何度も『好き』って叫ばれて…、けど俺な、ひどいねん。」
断りの答えを泣きながらも結局は受け入れた和葉。
「泣いている和葉を見て、大事な幼馴染傷つけて悲しかったけど、」
―――自身の姿を映して、苦しい気持ちにもなった。
「もしかして蘭ちゃんも、お前に答えを迫るかもしれんと、そう思うたら。」
もしかしたら本当に二人が結ばれたらという思いに囚われ始めると、
その想像とともに吹き荒れる自身の嵐を止めることができなかった。
タイミング悪く、その嵐を抱えたまま事件現場に新一と居合わせてしまったのだ。
事件が起これば自身の恋愛事情などカヤの外、ひたすらに探偵としての嗅覚ばかりに集中してほとんどその想像すら忘れていたのだけれど。
解決とともに訪れた二人の凪、相棒としての手腕を互いに存分に発揮した満足感。
失うくらいならこのままでいようと自然と浮かんだ笑みに誓ったその直後、
けれどあの着信音で、平次の箍はあっけなくはずれたのだ。
ごく当たりまえに、その特別な日に彼女が訪れることを受け入れている新一を見て、
この手が届かない現実を思い知らされたようだった。
事件を追う探偵としての二人のコンビネーションも、その日ばかりは平次を煽った。
自分だけが、自分こそが、彼の隣に立てる唯一の人間だと叫びたかった。
浅ましい嫉妬だとその時は気付きもしないで、平次は新一の腕を掴んだのだ。
堰を切って溢れる新一への想い。言葉にすればそれはあまりにつたないもので、歯がゆさを覚えた。
信じられないと驚愕する新一に、やはり受け入れられないのだと気付いて拳を握る。
それでも好きだと告げる気持ちを抑えきれず、無意識に壁際へと新一を追い詰めていった。
吸い寄せられていく唇。好きや、とそれだけが平次の中を荒れ狂う。
「俺は蘭が好きなんだ!」
悲鳴のような告白とともに、新一の拳が平次の頬に飛ぶ。
混乱する彼の拳は揺らいでおり、本当は避けられたがあえて受けた。
そうでなければ止まることができなかったから。
知っていた。彼がどれほど彼女のことを大切に思っていたのか。
そして、今はきっと裏切られた気持ちにもなっているであろうことが。
これを契機に本当に彼女とつきあうようになるかもしれない、そう考えると泣きたくなった。
それでも何故かあきらめきれない自分がはがゆく、自身の中で膨らむ彼への気持ちがむしろ強くなるのが恐ろしかった。
「ずっと傍におりたくて、黙ったまま隠しておこうと思ってた。けどそれも―――ちょい、つらくてな。」
言ったことを後悔しない日はなかった。けれどいずれはこうなるのだろうとも予想していた。
「堪忍な。……けど、あきらめきれん。お前が好きで、しゃーないんや。」
新一の頬に手を添えて上を向かせたまま、平次は無理やり笑って見せた。
それは少ししかもたない虚勢でしかなく、すぐに顔を歪ませる。
「なんで・・・!」
こんなに好きになってしもうたんや。
囁くように噛み締めた声とともに、平次はもう一度タオル越しにきつく新一を抱きしめた。
彼の体はもう震えていない。それでも小刻みにタオルが動くのは、今度は平次が震えているから。
ほとばしる想いが彼を壊さないように、必死に自身の衝動を抑えつけながらもほどけない腕。
あふれ出た想いの欠片だけでも、彼を抱き潰してしまいそうなほど強い。
それを振りほどかない新一が今何を思うのか、わからなくてまた歯噛みしたくなる。
「なんでちゃんと蘭ちゃんとくっついてくれんかった?それなら、少しは頭が冷えたかもしれんのに。」
前回まではこちら。
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自身の腕の中で新一の項を見下ろす形となった平次は、その首をすべる雫に見とれた。
恐ろしいほどの欲が、一瞬にしてぶわりと膨れ上がる。
慌てて自分が首にかけていたタオルを新一の頭に被せて、再び彼の髪を拭い始めた。
より平次の胸にもたれかかり、新一が体を震わせる。
「何で、あんなこと言ったんだ…!」
声にはひどく哀しいものが混じっていて、そのことが平次を苦しい想いにさせる。
自身の行動が新一をどれほど彼を追い詰めていたのか、その断片を見た気になるが、
けれど平次も限界だったのだ。
「――― 言わずにはおれんかったんや。」
固い声に新一はタオルの隙間から平次を振り仰ぐ。
苦い笑みを浮かべて、平次は視線を壁へと流した。
「あの前の日、和葉から答えを迫られた。」
止められた手が、新一の肩に乗せられる。
「俺は気付かんかったけど、あいつ俺のことが好きやったんだと。」
そこまで話して、新一の表情を見た平次が口元を歪ませる。
「…ああ、お前も知ってたんか。」
小さく頷く。当たりまえだ。あれでわからないほうがおかしい。
「断って、泣かれて、…何度も『好き』って叫ばれて…、けど俺な、ひどいねん。」
断りの答えを泣きながらも結局は受け入れた和葉。
「泣いている和葉を見て、大事な幼馴染傷つけて悲しかったけど、」
―――自身の姿を映して、苦しい気持ちにもなった。
「もしかして蘭ちゃんも、お前に答えを迫るかもしれんと、そう思うたら。」
もしかしたら本当に二人が結ばれたらという思いに囚われ始めると、
その想像とともに吹き荒れる自身の嵐を止めることができなかった。
タイミング悪く、その嵐を抱えたまま事件現場に新一と居合わせてしまったのだ。
事件が起これば自身の恋愛事情などカヤの外、ひたすらに探偵としての嗅覚ばかりに集中してほとんどその想像すら忘れていたのだけれど。
解決とともに訪れた二人の凪、相棒としての手腕を互いに存分に発揮した満足感。
失うくらいならこのままでいようと自然と浮かんだ笑みに誓ったその直後、
けれどあの着信音で、平次の箍はあっけなくはずれたのだ。
ごく当たりまえに、その特別な日に彼女が訪れることを受け入れている新一を見て、
この手が届かない現実を思い知らされたようだった。
事件を追う探偵としての二人のコンビネーションも、その日ばかりは平次を煽った。
自分だけが、自分こそが、彼の隣に立てる唯一の人間だと叫びたかった。
浅ましい嫉妬だとその時は気付きもしないで、平次は新一の腕を掴んだのだ。
堰を切って溢れる新一への想い。言葉にすればそれはあまりにつたないもので、歯がゆさを覚えた。
信じられないと驚愕する新一に、やはり受け入れられないのだと気付いて拳を握る。
それでも好きだと告げる気持ちを抑えきれず、無意識に壁際へと新一を追い詰めていった。
吸い寄せられていく唇。好きや、とそれだけが平次の中を荒れ狂う。
「俺は蘭が好きなんだ!」
悲鳴のような告白とともに、新一の拳が平次の頬に飛ぶ。
混乱する彼の拳は揺らいでおり、本当は避けられたがあえて受けた。
そうでなければ止まることができなかったから。
知っていた。彼がどれほど彼女のことを大切に思っていたのか。
そして、今はきっと裏切られた気持ちにもなっているであろうことが。
これを契機に本当に彼女とつきあうようになるかもしれない、そう考えると泣きたくなった。
それでも何故かあきらめきれない自分がはがゆく、自身の中で膨らむ彼への気持ちがむしろ強くなるのが恐ろしかった。
「ずっと傍におりたくて、黙ったまま隠しておこうと思ってた。けどそれも―――ちょい、つらくてな。」
言ったことを後悔しない日はなかった。けれどいずれはこうなるのだろうとも予想していた。
「堪忍な。……けど、あきらめきれん。お前が好きで、しゃーないんや。」
新一の頬に手を添えて上を向かせたまま、平次は無理やり笑って見せた。
それは少ししかもたない虚勢でしかなく、すぐに顔を歪ませる。
「なんで・・・!」
こんなに好きになってしもうたんや。
囁くように噛み締めた声とともに、平次はもう一度タオル越しにきつく新一を抱きしめた。
彼の体はもう震えていない。それでも小刻みにタオルが動くのは、今度は平次が震えているから。
ほとばしる想いが彼を壊さないように、必死に自身の衝動を抑えつけながらもほどけない腕。
あふれ出た想いの欠片だけでも、彼を抱き潰してしまいそうなほど強い。
それを振りほどかない新一が今何を思うのか、わからなくてまた歯噛みしたくなる。
「なんでちゃんと蘭ちゃんとくっついてくれんかった?それなら、少しは頭が冷えたかもしれんのに。」
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プロフィール
HN:
こば
性別:
女性
自己紹介:
二児の母。2009年に唐突に平新に。
何故だと自問自答しつつも数年ぶりに筆をとる。
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