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東西名探偵/平×新のSSブログです。幸せイチャイチャ中心。                                                               死にネタ別れネタなし。初めての方はカテゴリーより「はじめに」をクリックしてください。                                                 ご意見、ご感想等ございましたら カテゴリー下にあるリンクのWEB拍手や文末コメントにてお願いします。
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2026/07/01 (Wed)
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2010/03/21 (Sun)
バレンタイン bitter の続きです。
一部、新一に女性絡めた表現がありますので苦手な方はお気をつけ下さい。
しばらく続きます。


でもちゃんっとヘイシンに持っていきますから―!!


蘭との関係がうまくいかなくなったまま、一月が過ぎた。
ぎこちない会話は続かず、つらそうな顔をして無理に笑う蘭を見てもいられずに明確に距離を置いた。
俺と彼女が別れたという噂は瞬く間に広まり、それは直接的な形で各々の身に降りかかる。
互いに互いの存在が威嚇になっていたことに気付いてはいたが、これほどとは思わなかったというのが本音だ。
別れたも何も、もともとそうしたつきあいがあったこともなかったのだが、それを信じる人間は少ない。
目の前に日替わりで現れる女性の数に辟易としながらも、どうしようもない焦燥感と孤独にその場しのぎの接触を持つまでそうはかからなかった。
事件のことを聞かない女、自分へと立ち入らない人間を選んで、適当な会話、軽い相槌、関係性の生じない付き合い。
高級ホテルのレストランやバーで食事をして、そのまま気が乗れば部屋を取る。
今日の相手である女性とは、先日のパーティーで知り合って後数回デートをしている。
デートと言っても恋愛感情は互いになく、ただそこにいるだけの関係と言えるだろう。
蘭以外の女性にはまったく緊張などすることもない新一にとっては、かろやかな笑いと適度な距離の取り方を知る年上の女性は気楽でさえあった。
数人の客と共に新一と女は二人、傍目には恋人のように腕をからませてエレベーターへと乗り込んだ。
結婚式も行われるこのホテルは、地下のレストランの食事が気に入っているため何度も利用している。
最上階には新一の好みではないものの静かな雰囲気に囲まれたバーがあり、二人は食事を終えてそこへと向かう途中。
ちん、とエレベーターの停止を知らせる音が鳴り、ロビーから一緒に乗りあわせた20代前半の女性が降りようと新一のツレの女性の背後から進み出た。
彼女が出やすいようにと新一が女を抱き寄せる。
僅かに会釈をしながら降りていく女が開いた扉の向こうに待ち人を見つけたのか顔を綻ばせて名前を呼んだ。
「平次くん!」
咄嗟に新一は、その声が投げられた方へと顔を向けた。
深い毛足の絨毯が敷き詰められた廊下の向こう、―――そこに彼はいた。
声をかけられたことでこちらを向いていた平次と、新一は正面から視線が合わさる。
呼びかける女性の声が聞こえないかのように、互いに凍りついたまま立ち尽くした。
エレベーターの扉がゆっくりと閉まる。
見開かれた目が、厚い金属の扉の向こうに消えた。


新一は震えそうになるこぶしを握りながら、よろけそうになる足元をぐっと踏みしめて耐えた。
息が苦しい。
なんでヤツがこんな所に?
背中に流れる冷たい汗とともに、ぐるぐると思考が空転していく。
女が新一の顔を覗き込んで、眉を寄せた。
「新一くん?どうしたの?」
怪訝な表情でこちらを伺う彼女に、取り繕った笑みは通じたかどうか。
「すみません。今日は都合が悪くなりまして、申し訳ありませんがまた後日。」
にっこりと笑い、反論も質問も許す隙を与えずに畳み掛け、腕によりかかる女をそっと振り払う。
とてもではないが、こんな状態のまま親しくない人間に気を使うことなどできそうになかった。
最上階に着き、エレベーターの扉が開く。
「・・・そう。じゃあ、今日は帰るわ。」
有無を言わさない態度に、少しばかり納得のいかない怒りを隠しながら女は微笑んだ。
身勝手な理由は今更だ。
エレベーターから新一だけが降りて、取り残された形となった女がピアスを指で弄びながら不満げに新一を見つめる。
おそらく本人は、拗ねた女の色香を漂わせているつもりなのだろう。
ひどく冷めた感情が、平次を見た混乱とあいまって新一の視線を温度のないものにした。
「タクシーは、僕の名前を使って下さい。」
「ええ、いつもみたいにそうさせてもらうわ。・・・きちんと埋め合わせはしてね?」
去り際、耳の後ろへと口紅を残してエレベーターへと乗り込む。
「また、ね。」
紅い口元を鋭利に吊り上げて、微かに香るゲランを残し扉が閉じる。
関係を断ち切る刃物のようだと、中で女が苦笑したのを新一は知らぬまま、少し逡巡して後にバーへと足を向けた。





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プロフィール
HN:
こば
性別:
女性
自己紹介:
二児の母。2009年に唐突に平新に。
何故だと自問自答しつつも数年ぶりに筆をとる。
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