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東西名探偵/平×新のSSブログです。幸せイチャイチャ中心。                                                               死にネタ別れネタなし。初めての方はカテゴリーより「はじめに」をクリックしてください。                                                 ご意見、ご感想等ございましたら カテゴリー下にあるリンクのWEB拍手や文末コメントにてお願いします。
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2026/07/02 (Thu)
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2009/10/24 (Sat)
大人的表現あり。

strong anchoring1
strong anchoring2

strong anchoring 3
 
*strong anchoring 4

*strong anchoring 5 の続きです。

これで終わりです。長らくおつきあいくださってありがとうございます。
平次・・・かっこよくなりませんでした・・・。
反動で、とにかくかっこいい平次が書きたくて仕方ないです。







期待に満ちた視線を真正面から受ける。

「・・・俺は、お前が、」
言葉を続けようとして、迷った。

好き、愛してる、そんなんやない。この想いがあんなきれいな気持ちのはずがない。
一番近い感情で言うなら、――――憎悪か。
心の底を抉る、肺の腑まで汚れたこの思いを、言葉になんて。

「服部。」
中々言葉を継がない平次に、焦れた新一が名前を呼ぶ。
目で続きを訴える。
早く、早く言葉にしてしまえと、彼は待ち望んだ言葉を欲す。
あれだけの罠を張りながら、僅かな不安を消しきれない。
ふいに目が熱くなる。
口元で笑みを形作りながら、彼に気づかれぬよう奥歯を噛み締める。

工藤新一は身近な人間に対する嘘が下手だ。


・・・…本当は、まだ、壊れてなんていないくせに。

こんなことまでして俺を欲しがるのかと、その事実に目が眩む。
平次は上半身を引いて、一度彼の中から自身を抜こうとした。
「だめ、」
「逃げへんから。」
咎める新一に、顎へと軽いキスを落として黙らせる。
ぐぷりと音をたてて抜いてしまえば、新一は大きく息をついて、あきらかにほっとしたような表情を見せた。
実際にはひどく負担になっていたのだろう、体中に残っていた緊張が解けたようだ。

しかし波はひいたものの、まだ己は萎えることもない。
平次は新一の体ごと上半身を起こす。
腹を伝うぬめりが動いた拍子にとろりと零れて、新一が上半身に羽織る白い開襟シャツに染みた。
まだ少し頭痛が残るが、体内に残る薬は抜けてきているようだ。眩暈までは起こらない。
「工藤。」
繋がれた両手で後ろ髪を梳いた。

「・・・服部。」
新一の両手が、平次の頬をくるんだ。
平次の口元へ、そっと唇を押し当てる。
言葉を。
平次自身から新一へと踏み込んでくる証拠を、証明を、証しを。
伝わる願いに少なくない語彙を辿るが、彼へと告げる言葉を上手く探せない。
「悪い。言葉が出てこんわ。」
少なからず失望した表情をした新一に、言葉でなく行動で告げることにした。
深く唇を重ねる。
ごまかされるかと、抵抗する新一を平次はぎゅうと抱きしめて、
より深く口付けを交わせば、絡める熱に新一の腕が平次の首へと回されていく。

新一の背を辿る平次の手に、硬く肩甲骨が触れた。
毟られた羽根の名残のようなそれに、指をすべらせればくすぐったそうに身動ぎする。
爪を立てたい。
目を閉じて、凶暴な感情の沸き起こるのを抑える。

「工藤、俺が壊れてることは言うたな。」
「ああ。それがどうした。」
「・・・どういうことか、あんまわかってへんようやから、」
―――体で思い知るとええ。
開かれた瞼から覗くのは、深い夜の闇。


背中を抱えたまま、新一の体を床へとそっと倒す。
新一が呆けたように平次を見上げている。予想外の展開に、少し混乱しているのかもしれない。
その表情を見て、平次は笑う。
舌なめずりする獣が胸の奥で目を覚まし、獲物へと喰らいつくための牙を研いでいるよう。

「手錠は、もうどっちでもええ。してても、してなくても、俺はもう。」
愚かな。
「言い訳にはせえへんから。」
言葉とともに、一気に新一へと押し入った。
耳元で小さな悲鳴があがるのを、黒い愉悦で聞き入る。
彼の肩近くに両手をついて激しく突き上げれば、新一は反射的に逃げようと腰を引く。
けれど床についた平次の腕は、彼の肩の行き先を塞いでいた。
「あ、あ、あ」
新一の首の下に両腕を繋ぐ金具が横たわり、白いその肌を赤く擦る。
いったばかりで、過敏に反応する体を恨めしく思うだろう。
先ほどまでよりも平次を飲み込む肉の壁は柔らかく、行き来する自身への抵抗が少ない。
強く腰を振る都度、内腑を抉る苦しみと未知の感覚に、押し流される彼の理性。
薄暗い室内に彼のシャツの色だけが発光するかのよう、蒼く瞼の裏に焼きつく。
窓のない部屋に反響する濡れた音。ゆうるり、立ち上がる新一のモノ。
腹の下でそれを感じ取り、薄く平次は笑う。

ああ、壊れている。
あらためて自覚する。

彼があの子のことを好きなのだと思おうとして、この手で肌に触れぬよう理性で戒めてきた両手は、
今は物理的に拘束されながらも侵食するごとく肌を這い回る。
彼も、すぐこの波に飲まれる。
自身を見失い、似た色に染まるあいまいな魂の境界に揺れるだろう。

新一が嬌声の合間に低くうめく。
硬い床に背中を痛めていることに気づき、ぐいと肩を押しやって自分へと背中を向けさせた。
獣のように背後に被さり、腰を掲げさせて再び突き入れる。
新一の声が、変る。
床を爪をたて、声を上げ続ける。
脚の指はきつく折り曲げられており、快楽の強さを示す。
体勢を変えたことで、彼のいいところへとあたるようになったか。
先ほどまで以上に乱れる新一に、耳朶にキスをおとしながら声の上がる場所を執拗に攻め立てる。
彼の気持ちよさが、そのまま自身にも絡み付いて限界も近い。
目の端に映る地下室の壁、汗が滴った床。


灰色のコンクリートに囲まれたここは、まるでジェラルミンの箱庭。
このまま二人、―――世界をここで閉じてしまえば、なんて。


・・・悲しい妄想。

平次は苦笑する。
そう、互いにそんな生き方は出来ない。
せめて、束縛をしないように。お前の自由を奪わぬようにと。
お前を壊さぬように。この手は鳥籠になってはいけない。
――――鳥は空に帰れ。


どくん、と心臓を打撃する快楽。彼の中へと、一滴残らず注ぎ込んだ。
飛沫の刺激に、びくびくと背中をひくつかせて新一も達する。
ひどく抱き潰してしまえ。俺を恐れればいい。
それでも、なお、ともに添うというのならば―――もう。

「なあ、まだ終わらんよ?」
くたりとした新一の体を、もう一度こちらへ向けた。
荒い息ごと、口元を腕で覆い隠している。
紅潮する血潮が、白い肌に透けていた。
「体ごと、壊してしまうかもしれへんなあ。」
新一から視線を逸らせると、喉の奥で笑った。

その途端、ぐいと腕を掴まれた。
腕は新一へと引き寄せられ、続けて金属の音がして手錠の輪がからんと開く。
鍵が、外された。

「・・・上等っ・・・!」
どこにそんな力が残っていたのか、ぎらり瞳に理性が戻り平次を強く睨みつける。
「っ俺を、・・・誰だと思ってやがる・・・!」
思わず動きが止まる。
これほどに追い詰めても、それでもなお彼は彼の光を失わず。
その視線は、平次の記憶に残る工藤新一そのままで。
『工藤新一、探偵ですよ。』
そう、名乗る彼はいつでも、その両足で地面を踏みつけ不遜に笑うのだ。

小さな体になろうとも、もがいて苦しんで、それでも工藤新一であり続けたように。
己を壊すほどの熱情にも、彼は彼そのもののままでそれを受け入れている。

「そうや・・・そうやったな・・・。」
弱かったのは自分か。
この思いに溺れ、同じ種類に人間である彼の業の深さを知る故に、
彼が同じように、いやもしかするともっと深く、壊れていくことを恐れた。
けれど、それは想像していたようなものでなく。

肩が震える。
「工藤・・・!」
ああ、やはりこの気持ちは、好きとか愛しているとか、そんな気持ちじゃない。
魂の共有。溶け合うような―――。
壊れている自分を、さらに壊されて、引き戻される。

真実を曝すのは、いつだってその瞳。



だから、思う気持ちにはまったく足りないけれど、――――彼の望む言葉を口にして。
返された笑顔の鮮やかさに、壊れた自分の再生を知った。




長らくおつきあいありがとうございました。
ちなみに、”ジェラルミンの箱庭”という表現は敬愛する平澤進の表現です。

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自己紹介:
二児の母。2009年に唐突に平新に。
何故だと自問自答しつつも数年ぶりに筆をとる。
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