東西名探偵/平×新のSSブログです。幸せイチャイチャ中心。 死にネタ別れネタなし。初めての方はカテゴリーより「はじめに」をクリックしてください。 ご意見、ご感想等ございましたら カテゴリー下にあるリンクのWEB拍手や文末コメントにてお願いします。
ぎり、と奥歯を噛み締める新一に視線だけを向けつつ、男は話し続ける。
「あの子は私たちの宝でした。」
遠い瞳。おそらくその少女が健在であったころを思い出すのか、懐かしむように口元が緩む。
「彼が結婚し、あの子が産まれ、
・・・子をなすことの出来なかった私にとっても、あの子は孫のように愛しい存在だった。」
新一は自身が調べた内容と事実が符合したことを知った。
彼のアリバイの承認として、この男が重要な役割を示していた。
古い友人で、家族ぐるみでつきあいがありながら、その地位ゆえに発言に力を持つ男。
「あの事件以降、壊れていく彼女の心を、なんとかして少しでも癒そうと私たちは努力したのだよ。」
瞳の奥で揺れる暗い焔。
「傷跡は抉られたまま、治癒の兆しも見せず、ただただ時間だけが過ぎて、」
「・・・亡くなられたのは先月だとお聞きしました。」
「警察は自殺だと言った。けれどね、実際は殺されたのだよ。」
あんな事件さえなければ、今頃は外の陽射しを浴びて笑っていただろうに。
言外に悔しさを滲ませて、男の手は震えた。
「だから、彼を見逃して欲しい。ただ黙ってくれていればいい。君は警官ではなく、ただの一市民だ。」
「・・・けれど、探偵です。」
「だから頼んでいる。」
持っている電話を、新一の目前に掲げる。
「脅迫ですよ。」
「君のしていることと変りはない。」
2週間前から毎日、立て続けに起こった爆破事故。
それは繁華街の一角であったり、郊外の家であったり、古いアパートの一室であったりした。
一見共通項のないものであったが、毎日のことに警察も不信感を持たざるを得ず、
爆破物などの証拠のないまま捜査を開始することとなった。
そこで協力を依頼された新一が十数件の現場状況を分析し、いくつかの情報を集めている時、
毛利小五郎の事務所へアリバイつくりの一環のため訪れたこの男と会うことが出来た。
それは偶然の域を出るものでなく、
また殺人も起きていないため、新一は無謀にも一人、
確証を得るためにこの男の屋敷へと乗りこんでいったのだ。
話をするうちに男は新一の目的を悟ったのか、1階の客間から半地下の部屋へと案内された。
テレビ画面や映像機材に囲まれた部屋。おそらくはシアタールームであろうこの部屋。
ソファへと座らせられた後に流された映像は、彼がこの事件に深く関わっていることを示している。
爆破された場所は、全て倉庫を拠点とするそのグループの関係者のものだった。
これは警察もまだ掴み始めたばかりの情報だ。
少しずつ追い詰めて、恐怖を味あわせてから殺す。
爆破犯は、確実のそのグループへと牙を向けている。
今夜、それが決行される可能性が高い。
少女の49日である、今夜。
03へ
「あの子は私たちの宝でした。」
遠い瞳。おそらくその少女が健在であったころを思い出すのか、懐かしむように口元が緩む。
「彼が結婚し、あの子が産まれ、
・・・子をなすことの出来なかった私にとっても、あの子は孫のように愛しい存在だった。」
新一は自身が調べた内容と事実が符合したことを知った。
彼のアリバイの承認として、この男が重要な役割を示していた。
古い友人で、家族ぐるみでつきあいがありながら、その地位ゆえに発言に力を持つ男。
「あの事件以降、壊れていく彼女の心を、なんとかして少しでも癒そうと私たちは努力したのだよ。」
瞳の奥で揺れる暗い焔。
「傷跡は抉られたまま、治癒の兆しも見せず、ただただ時間だけが過ぎて、」
「・・・亡くなられたのは先月だとお聞きしました。」
「警察は自殺だと言った。けれどね、実際は殺されたのだよ。」
あんな事件さえなければ、今頃は外の陽射しを浴びて笑っていただろうに。
言外に悔しさを滲ませて、男の手は震えた。
「だから、彼を見逃して欲しい。ただ黙ってくれていればいい。君は警官ではなく、ただの一市民だ。」
「・・・けれど、探偵です。」
「だから頼んでいる。」
持っている電話を、新一の目前に掲げる。
「脅迫ですよ。」
「君のしていることと変りはない。」
2週間前から毎日、立て続けに起こった爆破事故。
それは繁華街の一角であったり、郊外の家であったり、古いアパートの一室であったりした。
一見共通項のないものであったが、毎日のことに警察も不信感を持たざるを得ず、
爆破物などの証拠のないまま捜査を開始することとなった。
そこで協力を依頼された新一が十数件の現場状況を分析し、いくつかの情報を集めている時、
毛利小五郎の事務所へアリバイつくりの一環のため訪れたこの男と会うことが出来た。
それは偶然の域を出るものでなく、
また殺人も起きていないため、新一は無謀にも一人、
確証を得るためにこの男の屋敷へと乗りこんでいったのだ。
話をするうちに男は新一の目的を悟ったのか、1階の客間から半地下の部屋へと案内された。
テレビ画面や映像機材に囲まれた部屋。おそらくはシアタールームであろうこの部屋。
ソファへと座らせられた後に流された映像は、彼がこの事件に深く関わっていることを示している。
爆破された場所は、全て倉庫を拠点とするそのグループの関係者のものだった。
これは警察もまだ掴み始めたばかりの情報だ。
少しずつ追い詰めて、恐怖を味あわせてから殺す。
爆破犯は、確実のそのグループへと牙を向けている。
今夜、それが決行される可能性が高い。
少女の49日である、今夜。
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HN:
こば
性別:
女性
自己紹介:
二児の母。2009年に唐突に平新に。
何故だと自問自答しつつも数年ぶりに筆をとる。
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