東西名探偵/平×新のSSブログです。幸せイチャイチャ中心。 死にネタ別れネタなし。初めての方はカテゴリーより「はじめに」をクリックしてください。 ご意見、ご感想等ございましたら カテゴリー下にあるリンクのWEB拍手や文末コメントにてお願いします。
薬ネタ?
「工藤くん、ここにあった薬知らない?」
「・・・風邪薬の瓶にあったもののことか?」
こくりとうなづく灰原が、ふうとため息を零す。
嫌な予感がする。こういう予感は良く当るよな。
「もしかしてとは思うけど、」
「ちょうど自宅の風邪薬が切れてて・・・」
はあ、と大きなため息をついたのは二人同時。
「何時ごろ飲んだの?」
「10分ほど前、かな。」
時計を見ながら応える。
しばしの沈黙。
「風邪薬じゃ・・・ないんだな。」
「ええ。開発途中の薬でね。」
がっくりと肩を落としながらも、確認は忘れない。
「一応聞いておくけど、どんな薬なんだ?」
「自白剤。」
ぱつんと応えた彼女の答えが意外なもので、思わず息を飲む。
「まあ、自白剤のようなものってことよ。人の本音が口から出てしまうの。
もう効いてきてるんじゃないかしら。私の質問にスラスラ答えているようだし。」
「効果の時間は?」
「約6時間。」
後、5時間と50分。
それくらいの時間なら人と会わなければ済む話、か?
「いっておくけど、まだ解毒剤はないわよ。あと5時間ほどは、部屋にでも閉じこもっていることね。」
「ああ・・・。」
額に手を当てながらうなづく。やべえ、頭痛が悪化しそうだ。
自宅に戻ろうと机に手をかけて立ち上がろうとした、その瞬間。
「よーう、工藤おるかあ?」
扉がばたーんと軽快に開かれ、陽気な関西弁が流れ出す。
最悪だ!
「あら、西の探偵さん。」
「ちっこい姉ちゃん、元気か?博士は?」
「町内の集まりに出てるわ。工藤君はあそこ。」
人差し指で居場所を指され、思わず じりと後ずさりをする。
平次は新一を見ると、片手を上げて にこりと笑った。
「ちょうどこっちに来る用事があってな♪
工藤んちのインターフォン鳴らしても反応ないから、こっちに来たんやけど正解やったな。」
最悪だ!
今、一番会いたくないヤツが来た。
思わず両手で口を押さえる。
いつもと違う様子なのを、すぐに気づいた服部はずかずかと近づいてくる。
「どうしたん、自分?」
来るな、来るな!
ぶんぶんと首を振って威嚇すると、服部はいぶかしげに眉を寄せる。
「工藤?顔赤い。」
熱でもあるんか?と掌を額に乗せられて、思わず口を押さえていた手で振りほどく。
閉ざされたはずの唇から、はらりと零れる言葉。
「嬉しい。」
うわああああああ!
ばふっと両手でまた口を押さえる。
「工藤?何?どしたん?」
今のセリフは聞こえていなかったようだ。
ほっと安堵するも、頬が、耳が熱い。
ちくしょう、恥ずかしさで涙まで出そうだ。
潤んだ目で服部を睨みつける。
睨まれたあいつは、何故か顔を赤く染めた。
その直後、くるりと灰原に向き直る。
「おい、姉ちゃん。あんたか?」
「違うわ。彼の不注意よ。」
「てえことは薬やな。どんな?」
「・・・人の本音を吐き出させるものよ。」
予想外の回答だったらしく、服部は黙り込んだ。
ぐ、と拳を握りしめながら、座り込んだ自分をしばらく見下ろす。
その間も唸りながら、俺は喉の奥で声を殺す。
頭上からため息が零れた。
解かれた拳の掌が、柔らかく俺の頭を撫でる。
「薬の切れるまでの時間は?」
「後5時間。」
淡々と灰原が応える。
「そうか。」
にこりと笑うとしゃがんで、俺と視線の高さを合わせた。
「また来るわ。工藤、風邪もひいとんのやろ?はよ治せな。」
意外な言葉に、思わず手が緩む。
その手の上から重ねるように服部の手が包む。
「しっかり抑えといて。」
俺の自制心もそう頑丈じゃないねん。
耳元で囁かれ、その言葉通り口元を覆う手に力を入れた。
なんとなく罪悪感を感じて、俯く。
「姉ちゃん、また来るわ。」
入ってきたときと同じ唐突さで、彼はその扉から出て行った。
静けさを取り戻した部屋にパソコンのモーター音だけが響く。
「・・・あの人、すごいわね。」
「そんなの今さらだろ?」
扉が閉まり、開放された口元からは惚気にも似た言葉。
ふふ、と灰原がおかしそうに笑う。
珍しい顔が見られたものだ。
彼女は引出を開けると、小さな瓶を新一に向かって投げた。
反射的に片手で受けとる。
「解毒剤よ。」
さっくり言われた言葉に、新一はまじまじと瓶を眺めてしまう。
「さっきは、ないって・・・。」
「嘘よ。」
あまりの出来事に、新一の肩が落ちる。
「鎮痛効果もあるから、熱も下がるわ。早く飲んで追いかけたらどう?」
「サンキュ、な。」
瓶の蓋を開け、逆さまに振ると ころりと2粒の黄色い錠剤が出てきた。
それを水もなく嚥下する。
甘い。
これは・・・。
「灰原、てめえ。」
「だから言ったじゃない。」
嘘だって。
くすくすと笑いながら、もうパソコンをいじり始めている彼女が横目で新一を見やる。
「ここで色んな研究を続けてるんだから、用心なさいってことよ。」
勉強になったでしょう?
「早く追いかけたら?あの人、本当は用事なんてないんでしょう?」
「あの馬鹿は、ほっとけばいいんだよ!」
追いかけることなんて、もう出来やしない。
あんな顔を見られて、次に会うときにはどうしろっていうんだ。
「とりあえず帰る。邪魔したな。」
服部が出て行った扉に手をかけると、背中から追いかける声。
「たまには素直にならないと、言葉が足りなかったと後悔するわよ。」
キーボードを打つ音に紛れていたけれど、真剣な響きが混じる。
「・・・。」
虚をつかれ、立ち尽くした自分の気配を察してか、指を止めて彼女は呟く。
「自覚はあるのよね。」
今なら、薬のせいにできるわ。
「・・・知らねえよ。」
がちゃりと音を立てて扉を閉めた。
灰原の言葉が何度も耳の奥で繰り返される。
だけど、やっぱり追いかけるなんて出来そうになかった。
せっかくひさしぶりに会えたのに。
「・・・っかやろ・・・。」
風邪のせいでだるい体をずりずりとひきずりながら、自宅へと戻る足取りは重い。
興奮したせいか、熱があがった気がする。
研究所の玄関に手をかけたところで、くらりと眩暈に襲われた。
倒れる音を聞いたらしい灰原が、駆け寄る姿を見たのが最後。
意識がブラックアウトした。
02 へ
「・・・風邪薬の瓶にあったもののことか?」
こくりとうなづく灰原が、ふうとため息を零す。
嫌な予感がする。こういう予感は良く当るよな。
「もしかしてとは思うけど、」
「ちょうど自宅の風邪薬が切れてて・・・」
はあ、と大きなため息をついたのは二人同時。
「何時ごろ飲んだの?」
「10分ほど前、かな。」
時計を見ながら応える。
しばしの沈黙。
「風邪薬じゃ・・・ないんだな。」
「ええ。開発途中の薬でね。」
がっくりと肩を落としながらも、確認は忘れない。
「一応聞いておくけど、どんな薬なんだ?」
「自白剤。」
ぱつんと応えた彼女の答えが意外なもので、思わず息を飲む。
「まあ、自白剤のようなものってことよ。人の本音が口から出てしまうの。
もう効いてきてるんじゃないかしら。私の質問にスラスラ答えているようだし。」
「効果の時間は?」
「約6時間。」
後、5時間と50分。
それくらいの時間なら人と会わなければ済む話、か?
「いっておくけど、まだ解毒剤はないわよ。あと5時間ほどは、部屋にでも閉じこもっていることね。」
「ああ・・・。」
額に手を当てながらうなづく。やべえ、頭痛が悪化しそうだ。
自宅に戻ろうと机に手をかけて立ち上がろうとした、その瞬間。
「よーう、工藤おるかあ?」
扉がばたーんと軽快に開かれ、陽気な関西弁が流れ出す。
最悪だ!
「あら、西の探偵さん。」
「ちっこい姉ちゃん、元気か?博士は?」
「町内の集まりに出てるわ。工藤君はあそこ。」
人差し指で居場所を指され、思わず じりと後ずさりをする。
平次は新一を見ると、片手を上げて にこりと笑った。
「ちょうどこっちに来る用事があってな♪
工藤んちのインターフォン鳴らしても反応ないから、こっちに来たんやけど正解やったな。」
最悪だ!
今、一番会いたくないヤツが来た。
思わず両手で口を押さえる。
いつもと違う様子なのを、すぐに気づいた服部はずかずかと近づいてくる。
「どうしたん、自分?」
来るな、来るな!
ぶんぶんと首を振って威嚇すると、服部はいぶかしげに眉を寄せる。
「工藤?顔赤い。」
熱でもあるんか?と掌を額に乗せられて、思わず口を押さえていた手で振りほどく。
閉ざされたはずの唇から、はらりと零れる言葉。
「嬉しい。」
うわああああああ!
ばふっと両手でまた口を押さえる。
「工藤?何?どしたん?」
今のセリフは聞こえていなかったようだ。
ほっと安堵するも、頬が、耳が熱い。
ちくしょう、恥ずかしさで涙まで出そうだ。
潤んだ目で服部を睨みつける。
睨まれたあいつは、何故か顔を赤く染めた。
その直後、くるりと灰原に向き直る。
「おい、姉ちゃん。あんたか?」
「違うわ。彼の不注意よ。」
「てえことは薬やな。どんな?」
「・・・人の本音を吐き出させるものよ。」
予想外の回答だったらしく、服部は黙り込んだ。
ぐ、と拳を握りしめながら、座り込んだ自分をしばらく見下ろす。
その間も唸りながら、俺は喉の奥で声を殺す。
頭上からため息が零れた。
解かれた拳の掌が、柔らかく俺の頭を撫でる。
「薬の切れるまでの時間は?」
「後5時間。」
淡々と灰原が応える。
「そうか。」
にこりと笑うとしゃがんで、俺と視線の高さを合わせた。
「また来るわ。工藤、風邪もひいとんのやろ?はよ治せな。」
意外な言葉に、思わず手が緩む。
その手の上から重ねるように服部の手が包む。
「しっかり抑えといて。」
俺の自制心もそう頑丈じゃないねん。
耳元で囁かれ、その言葉通り口元を覆う手に力を入れた。
なんとなく罪悪感を感じて、俯く。
「姉ちゃん、また来るわ。」
入ってきたときと同じ唐突さで、彼はその扉から出て行った。
静けさを取り戻した部屋にパソコンのモーター音だけが響く。
「・・・あの人、すごいわね。」
「そんなの今さらだろ?」
扉が閉まり、開放された口元からは惚気にも似た言葉。
ふふ、と灰原がおかしそうに笑う。
珍しい顔が見られたものだ。
彼女は引出を開けると、小さな瓶を新一に向かって投げた。
反射的に片手で受けとる。
「解毒剤よ。」
さっくり言われた言葉に、新一はまじまじと瓶を眺めてしまう。
「さっきは、ないって・・・。」
「嘘よ。」
あまりの出来事に、新一の肩が落ちる。
「鎮痛効果もあるから、熱も下がるわ。早く飲んで追いかけたらどう?」
「サンキュ、な。」
瓶の蓋を開け、逆さまに振ると ころりと2粒の黄色い錠剤が出てきた。
それを水もなく嚥下する。
甘い。
これは・・・。
「灰原、てめえ。」
「だから言ったじゃない。」
嘘だって。
くすくすと笑いながら、もうパソコンをいじり始めている彼女が横目で新一を見やる。
「ここで色んな研究を続けてるんだから、用心なさいってことよ。」
勉強になったでしょう?
「早く追いかけたら?あの人、本当は用事なんてないんでしょう?」
「あの馬鹿は、ほっとけばいいんだよ!」
追いかけることなんて、もう出来やしない。
あんな顔を見られて、次に会うときにはどうしろっていうんだ。
「とりあえず帰る。邪魔したな。」
服部が出て行った扉に手をかけると、背中から追いかける声。
「たまには素直にならないと、言葉が足りなかったと後悔するわよ。」
キーボードを打つ音に紛れていたけれど、真剣な響きが混じる。
「・・・。」
虚をつかれ、立ち尽くした自分の気配を察してか、指を止めて彼女は呟く。
「自覚はあるのよね。」
今なら、薬のせいにできるわ。
「・・・知らねえよ。」
がちゃりと音を立てて扉を閉めた。
灰原の言葉が何度も耳の奥で繰り返される。
だけど、やっぱり追いかけるなんて出来そうになかった。
せっかくひさしぶりに会えたのに。
「・・・っかやろ・・・。」
風邪のせいでだるい体をずりずりとひきずりながら、自宅へと戻る足取りは重い。
興奮したせいか、熱があがった気がする。
研究所の玄関に手をかけたところで、くらりと眩暈に襲われた。
倒れる音を聞いたらしい灰原が、駆け寄る姿を見たのが最後。
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HN:
こば
性別:
女性
自己紹介:
二児の母。2009年に唐突に平新に。
何故だと自問自答しつつも数年ぶりに筆をとる。
何故だと自問自答しつつも数年ぶりに筆をとる。
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