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東西名探偵/平×新のSSブログです。幸せイチャイチャ中心。                                                               死にネタ別れネタなし。初めての方はカテゴリーより「はじめに」をクリックしてください。                                                 ご意見、ご感想等ございましたら カテゴリー下にあるリンクのWEB拍手や文末コメントにてお願いします。
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2026/07/01 (Wed)
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2010/03/25 (Thu)
「悪いけど、出てこれるか?」
深夜に電話が鳴るのは珍しいことではない。まして、その発信元が隣の家からならなおのこと。
「わかったわ。10分で行くから、今簡単に状況を説明して頂戴。」
寝巻き代わりのルームウェアの上から、コートに袖を通しながら訪ねればてきぱきとした回答が返る。
「…嫌な感じね。とりあえずどこかに寝かせてやるのね。わかったわ。じゃ。」
電話を切ってすぐに鞄に必要最低限の医療具や薬を詰め込んでいると、呼び出し音で起こされた阿笠博士が心配そうに歩み寄る。
「哀くん。新一は見つかったんじゃな。」
「ええ。とりあえず見てくるわ。博士は待機していてくれる?」
「わかった。気をつけてな。」

事件の捜査にあたっていた新一が拉致されて2日。
調べを進めるにつれ、依頼そのものが彼を連れ去るための罠であった可能性が高いことが判明した。
拉致の発覚が早かったのは、その日丁度西の探偵である服部平次が新一のもとを訪れたからだ。
いつもどおり阿笠博士から鍵を借り、留守である工藤邸に入り込んだ平次は、
珍しくリビングに広げられたままの事件の資料を読み進むうちに不審な点に気付いたらしい。
「工藤がこれに気付かんはずないけど」
現場へと駆けつけた平次が見つけたものは、ノートや本が散乱する部屋の中に新一が残したメッセージ。
犯人に気付かれぬよう、そして平次がここへ来ることを予期してのものだったのだろう。
投げ出された本を利用して書かれたメッセージを読み解き、犯人を追い詰めて新一を探しだすのにさほど時間はかからなかったが。


「遅くにすまんかった。」
「構わないわ。状態は?」
哀自身、いつでも工藤邸に入ることができるように鍵を持っている。
その鍵を利用してリビングへと走りこんできた彼女を平次は迎え、彼女の鞄をごく自然に持ってソファへと寝かせた新一のもとへ共に近づく。
「現場でなんぞ薬を打たれたらしい。ひどく震えていて、息が荒い。」
哀が視線を走らせれば、平次の言うとおり新一はシーツの上に体を丸めて小刻みに体を震わせている。
「すぐ病院に駆け込みたかったんけど、工藤の体は薬の影響が人と違って出る可能性があるて、姉ちゃんが言っとったの思い出してな。」
とりあえず連れてきた。負ぶったときには暴れて大変だったわ。
一人ごちたように話す平次に、哀はかまわず指示を出す。
「少し抑えてて。採血するわ。」
「わかった。」
平次は新一の体にのしかかり抱え込むようにして腕を固定し、暴れるその体を力で抑え込む。
それを横目にしつつ、哀はゴム紐で新一の上腕を縛り、手早く注射器で採血した。
「20分頂戴。」
「頼む。」
暴れる新一の体を出来るかぎり傷つけぬよう押さえ込み、低く真摯な声を出した男に哀は力強く頷いた。
工藤、と何度も名前を呼ぶ平次の声が背中に聞こえるが振り返る暇も惜しく、そのまま阿笠邸へと駆け戻り血液検査を行うために地下の部屋へと潜る。
20分を少し過ぎて、工藤邸のリビングに戻った哀の表情には、眉間にくっきりと皺が刻まれていた。
「とりあえず、死にはしないわ。でもやっかいね。」
データが印字された白い紙を平次は受け取り、ざっと目を通す。
同じく彼も眉間に深く皺を刻み、ギリと音をたてて歯を噛み締めた。
「…予想通りか。もっと殴っとけばよかったわ。」
平次は新一が囚われていた部屋を思い出す。
後ろ手に拘束された新一は床に転がされ、周囲を男女数人が取り囲んでいた。
その内の一人はビデオカメラを用意していたことから、新一の醜態を、媚態を、映像に残して脅迫や商売のネタにでもするつもりだったのだろう。
憤る気持ちのまま拳を振り上げた平次は、大きな舌打ちを一つしてその手をゆっくりと下ろした。
唸る声を喉に閉じ込めて、握り締めた拳を解きながら哀へと視線を移す。

「姉ちゃん、こっからはオフレコで頼むわ。」
「・・・?わかったわ。」
訝しげに頷く哀に軽く笑って見せると、平次は新一の胸倉を掴んでぐいと半身を起こさせる。
おもむろに振り上げた手で、今度は新一の頬を叩いた。
ぱしんと部屋に響く乾いた音と共に、唸り、もがいていた新一の腕がはたと止まり、彼の瞳に光が僅かに戻る。
平次は新一と視線を交え、ゆっくりと言い聞かせる口調で告げた。
「工藤、聞け。お前も予想ついとると思うけど、投薬されたんは媚薬や。」
大きく息をついて一瞬哀へと視線を流し、またすぐに新一へと向き合う。
「―――― どうする?」
「・・・てめえ、を、そんなことに使えるか・・・!」
両手で平次の胸を強く押して互いの体を離すと、新一はそのまま体を抱え込むようにしてソファに蹲った。
「・・・くそっ・・・!」
きつくきつく体躯を抱えこむ腕に爪を立てた新一を見つめて、苦しげに、けれど少し嬉しそうに平次は笑った。
「そうか。」
そっと立ち上がり、新一から離れた平次の服を哀の手が掴んで引いた。
気付かれぬよう、静かに廊下へと二人は出る。
扉が閉まると同時に、哀は平次に話を切り出した。
「水を差すようで悪いけど、出来うるかぎり早期に薬を抜く必要があるわ。」
「何でや?」
「神経系に直接刺激が生じる薬物が混じってるらしいの。本人はかなり苦しいはずよ。その耐える時間が長いほど、他に与える影響がどんなものかは正直わからない。」
「・・・・・けど。」
「工藤くんの気持ちより、今回ばかりは治療が先ね。解毒剤の作成には時間もかかる。それなら・・・。」
「わかった。・・・すまんな。」
謝罪は新一か哀、どちらに向けたものであったのか。
「姉ちゃん、クスリ、朝にはできとる?」
「―――昼までには終わらせるわ。」
「博士にも内緒にしといてな。大事な息子同然のが男とつきあっとると知ったら腰抜かすわ。」
「オフレコって、言ってたでしょ。わかってるわ。」
ひらり白衣をひらめかせて、哀は踵を返した。
「何かあったら、電話して。」
そう告げて足早に廊下を歩いて玄関へと向かうその背中に、平次の淡々とした問いが投げられた。
「ねーちゃんは驚かんな。気付いてたんか?」
振り返らず、白衣のポケットに手を入れながら哀は答える。
「十分驚いてるわよ。まあ、でも、これで色んなことが繋がった感じがするから。」
いいんじゃないの?と溜息混じりに返せば、平次の苦笑する気配が背中越しに伝わってきた。
鍵は閉めておくからと言い募り、答えを待たずして足を速める。
玄関の扉を音を立てないようにして閉め、合鍵で施錠していると、ふいにおかしくなって微かに笑みを浮かべる。
けれど、すぐに表情を引き締めて、哀はまだ煌々と明かりの灯る阿笠邸へと小走りに向かった。


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soypsurroup 2013/12/20(Fri)15:20:54 編集
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TrurdyBuh 2013/12/20(Fri)20:06:25 編集
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pigAntina 2013/12/21(Sat)10:24:59 編集
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二児の母。2009年に唐突に平新に。
何故だと自問自答しつつも数年ぶりに筆をとる。
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