東西名探偵/平×新のSSブログです。幸せイチャイチャ中心。 死にネタ別れネタなし。初めての方はカテゴリーより「はじめに」をクリックしてください。 ご意見、ご感想等ございましたら カテゴリー下にあるリンクのWEB拍手や文末コメントにてお願いします。
「エッロくせーんだよ!てめえは!」
怒鳴り声と共に背後からとび蹴りを喰らった。
歯を磨いているときでなくてよかったと、まずそう思えたことが工藤との付き合いの長さを実感する。
「いきなり何すんのや!」
洗面台の鏡にぶつけた額をさすりながら振り返れば、
怒りのためか顔を真っ赤に染めた新一が肩で息をしながら立っていた。
「るせーっ!それはこっちのセリフだ!服くらい着やがれ、この歩く猥褻物!」
「失礼なものいいやな。着とるやん、ちゃーんと短パン履いとるで?」
「上も着ろ!裸で歩くな!俺に見えるところではお前は全身みっちり着てろ!」
びしっと人差し指で平次を指し、腰に手をあてて軽くのけぞる。
見下しながら命令口調。何様やっちゅーねん。
納得のいかない憮然とした表情に、少しきまりが悪くなったか新一の視線がふとそれる。
背後の鏡にそれは投げ出されて、何かをとらえて更に頬に赤みを増した。
映るのはもちろん平次の背中だろう、確認しようと肩を前にひいて首をまわすと肩甲骨辺りにぴりりと軽い痛みが走る。
(あ、昨日の。)
気付かれたと悟った新一が、だんっと足を踏み鳴らして平次の意識を奪い取る。
つられて新一へと顔を向けると、今にも噛み付きそうな表情でこちらを睨み、
すぐ横にかけてあったタオルをがばりと掴んで平次へと投げ捨てた。
どたばたと足音をさせて洗面所を飛び出していく新一の後姿を見送りつつ、
剃ったばかりの顎をそろりと撫でながら、平次はしばし考える。
外は爽やかな5月の朝、天気予報では全国的に快晴。
夏日とはいかないまでも、温かい陽気にむずむずと遠くへ行きたい欲求が湧き上がる。
5月はオートバイの季節やて、どっかのエッセイ屋も言っとったしな。
こんな日に乗らんのは、バイク乗りとしては失格だろうとも思う。
けれど。
染まる頬、踵を返しながらこちらを見つめた目、それらはゆうらりと熱を持って。
「思い出して、欲情したんや?」
喉の奥で笑う。
何気なく開けた扉の向こう、目の前にある背中は夜の跡を色濃く残していた。
自覚のないまま立ち昇る衝動に、おそらくは混乱したのだろう。
「どうするかっちゅーたら、そら、比べるまでもないなあ。」
空気の入れ替えのため、少しだけ開かれた窓からあっけらかんと晴れた青を見あげる。
にんまりと口元に浮かんだ人の悪い笑みが、すうと口角を引き上げられてその表情を変えた。
鏡に映るのは、獣の笑み。それは一瞬で立ち消える。
「今日の予定は読書か映画か。なんでもええけど、家ん中決定やな。」
獰猛さを押し隠し、狼は犬の振りをしてしなやかに身を翻す。
不器用な誘いを掴まえるために。
怒鳴り声と共に背後からとび蹴りを喰らった。
歯を磨いているときでなくてよかったと、まずそう思えたことが工藤との付き合いの長さを実感する。
「いきなり何すんのや!」
洗面台の鏡にぶつけた額をさすりながら振り返れば、
怒りのためか顔を真っ赤に染めた新一が肩で息をしながら立っていた。
「るせーっ!それはこっちのセリフだ!服くらい着やがれ、この歩く猥褻物!」
「失礼なものいいやな。着とるやん、ちゃーんと短パン履いとるで?」
「上も着ろ!裸で歩くな!俺に見えるところではお前は全身みっちり着てろ!」
びしっと人差し指で平次を指し、腰に手をあてて軽くのけぞる。
見下しながら命令口調。何様やっちゅーねん。
納得のいかない憮然とした表情に、少しきまりが悪くなったか新一の視線がふとそれる。
背後の鏡にそれは投げ出されて、何かをとらえて更に頬に赤みを増した。
映るのはもちろん平次の背中だろう、確認しようと肩を前にひいて首をまわすと肩甲骨辺りにぴりりと軽い痛みが走る。
(あ、昨日の。)
気付かれたと悟った新一が、だんっと足を踏み鳴らして平次の意識を奪い取る。
つられて新一へと顔を向けると、今にも噛み付きそうな表情でこちらを睨み、
すぐ横にかけてあったタオルをがばりと掴んで平次へと投げ捨てた。
どたばたと足音をさせて洗面所を飛び出していく新一の後姿を見送りつつ、
剃ったばかりの顎をそろりと撫でながら、平次はしばし考える。
外は爽やかな5月の朝、天気予報では全国的に快晴。
夏日とはいかないまでも、温かい陽気にむずむずと遠くへ行きたい欲求が湧き上がる。
5月はオートバイの季節やて、どっかのエッセイ屋も言っとったしな。
こんな日に乗らんのは、バイク乗りとしては失格だろうとも思う。
けれど。
染まる頬、踵を返しながらこちらを見つめた目、それらはゆうらりと熱を持って。
「思い出して、欲情したんや?」
喉の奥で笑う。
何気なく開けた扉の向こう、目の前にある背中は夜の跡を色濃く残していた。
自覚のないまま立ち昇る衝動に、おそらくは混乱したのだろう。
「どうするかっちゅーたら、そら、比べるまでもないなあ。」
空気の入れ替えのため、少しだけ開かれた窓からあっけらかんと晴れた青を見あげる。
にんまりと口元に浮かんだ人の悪い笑みが、すうと口角を引き上げられてその表情を変えた。
鏡に映るのは、獣の笑み。それは一瞬で立ち消える。
「今日の予定は読書か映画か。なんでもええけど、家ん中決定やな。」
獰猛さを押し隠し、狼は犬の振りをしてしなやかに身を翻す。
不器用な誘いを掴まえるために。
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こば
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女性
自己紹介:
二児の母。2009年に唐突に平新に。
何故だと自問自答しつつも数年ぶりに筆をとる。
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